カミングアウトデー

毎年10月11日は、カミングアウトデー。

カミングアウトとは、LGBTがその性的指向を周囲に表明すること。
カミングアウトデーはそんな人々を祝福する日で、1988年にアメリカで生まれた記念日だ。
オランダでも、2009年から様々なキャンペーンが展開されるようになった。

今年は、オランダ最大のスポーツ協会である「オランダサッカー協会(KNVB)」もこの日に合わせて大規模なキャンペーンを展開した。
マッチョな男社会であるサッカーの現場では、ホモ差別も根強い。だが、それに正面から取り組むことをKNVBの会長が宣言し、プロジェクトプランを保険大臣に進呈した。
オランダ語では、カミングアウトを「キャビネットからのカミングアウト」と表現する。そこでKNVBは、キャビネットに入ってサッカーをする青年に「キャビネットからでておいで。ホモだって?そんなこと関係ないさ!」と語りかけるキャンペーンフィルムも制作し話題を集めた。

白熱したサッカーの試合では、罵倒の言葉として「ホモ」と叫ばれることも多いことから、この規制を含む差別対策をサッカー協会のガイドラインに入れて、全国のチームで積極的に取り組む意向だ。

これは、オランダサッカー協会のホモ差別対策プラン。指導、情報提供、サポート、処置、評価と、各ステップで目標を打ち出し、KNVBの方針を明解に提示している。
=特にユースチームでのホモセクシュアル差別関連の指導を徹底、
=専門の教育を受けたホモ差別問題専門のスタッフを協会内におき、協会メンバーに対応する
=スタジアムのスチュワートに、観客によるホモフォビックな言動への対処方を指導する
などをあげている。

協会長は、「オランダ最大のスポーツ協会であるKNVBに、ホモセクシュアルのメンバーがいないはずがない。それでもこちらからホモ差別対策の話題を持ちかけると、”うちにはホモはいませんから”というチームもある」と、問題意識は決して高くないことをあげ、まずはホモセクシュアルのチームメートもいることを念頭においた開かれたディスカッションを生み出そうと呼びかける。
そして彼らが安心してカミングアウトできるサッカー環境をクリエイトすることも、KNVBの責任の一環だとプロジェクトプランに記している。

Text and photo (Gay parade) © studiofrog 2010~2012