DJ王国オランダ

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10月17日、世界最大のダンスイベント「アムステルダム・ダンス・イベント」が幕を開けた。今年で17回目を迎える恒例のダンスミュージックの祭典は、5日間にわたり、街中の75カ所の会場で300近くのイベントを展開する。肌寒く秋めいてきたアムステルダムには約20万人のファンが集結して、会期中この街を熱気で包む。このうち約4万人がツーリストだという。集まるDJ達も、超有名DJから、将来が楽しみな若手まで。ファンならば、退屈している暇はない。

ジャズ、ブルース、ロックンロールと、近代音楽のメッカは何と言ってもアメリカだ。しかし、ハウスミュージックに関しては事情が違うらしい。「オランダ人DJたちは、シーンに革命を起こしている!」とアメリカのファンも絶賛するほど、ダッチサウンドは今、世界のハウスシーンを魅了している。
イギリスのDJ Magazineが1997年から毎年発表している「世界のベストDJトップ100」は、2002年から2010年までオランダ人DJを「ベストDJ」に選んでいる。前回の2011年は残念ならがフランス人DJにトップの座を譲ることになったのだが、それでもベスト10の中にはオランダ人が4人も名を連ねている(2位、3位、7位、8位)。

なぜ、近年オランダはDJ王国に変身したのか?「オランダには水が多いからかな(笑)。いやいや、本当にその理由はわからないんだ」というのは、ドキュメンタリー映画「Dutch Influence」のプロデューサー、Hatim el Khatib. この映画は、オランダのダンスシーンが世界を制覇する様子を描いている。出演しているDJ達も、ドキュメンタリーの中で「オランダは小国だが、ハウスミュージックで世界を制覇するぜ!」と熱く語る。

木靴、チューリップ、チーズ・・・これまでのステレオタイプなオランダのイメージに、「デザイン」と並んで「ダンス」が加わったのである。

(実は、私はこの映画をまだ観ていない。今週の日曜日まで市内の映画館で上映しているとのことで、近日中に見に行く予定!)

Text by studiofrog