ヒルト・ウィルダース論争  1

ヒルト・ウィルダース論争1

3月19日の水曜日、オランダのほとんどの市で市議会選挙が行われた。

知り合いの日本人ジャーナリストに「水曜日に投票?人は来るの?」と聞かれ、改めて「選挙日=水曜日」について調べてみると・・・

オランダでは、市議会選も国政選挙も、たまの例外を除いて水曜日に行われるのが通例。なんでも、選挙は日曜日以外ならばいつ行っても良いと定められているそう。もちろん、キリスト教徒への配慮からだ。そうなると、ムスリムやユダヤ人も多いオランダでは、金曜日、土曜日も外そうと考えたに違いない。
「月曜日は週明け初日ということで、仕事が忙しいと予測されるので適さない。金曜日は週の最後だからみな忙しいだろう。土曜日は買い物で忙しいだろうから適さない」という説明もあったが、水曜日でなければならない理由は見当たらなかった。


投票は夜9時まで。あまり熱心に残業をしないオランダでは、仕事帰りでも十分間に合う。
今回の選挙では、投票しているところの自撮り(セルフィー)写真がネットにたくさん出回った。国会議員、政治記者らのセルフィーも多く、メディアも盛り上がった。

連立政権を成す自由国民党と労働党が、大きく議席を失った。特に労働党は大敗。逆に一番の勝者は、中道の民主66党。60年以上労働党が最大だったアムステルダムでも、民主66に最大勢力の座を譲った。選挙結果は、ざっくりとこんな感じである。

だが、今市議会選挙には強烈な後日談がある。今オランダのメディアは、その論争で持ちきりだ・・・・・
(続く)

写真は、長くて大きな候補者リスト。用紙は、確か長辺が六つ折り、短辺が二つ折りなので、写っているのは全体の約1/4。赤鉛筆で丸を塗りつぶすという昔ながらのやり方。