ヒルト・ウィルダース「2015年の政治家」に

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国営放送のニュース解説番組Een Vandaagが毎年行う「今年の政治家」という人気投票で、ヒルト・ウィルダースが1位になった。

ウィルダースは、反イスラムとEU離脱の2つの柱を声高に主張する、自由党(PVV)の党首である。
この人気投票は、今年最も活躍した政治家を選ぶもので、視聴者らが投票。ウィルダースは全投票数37194票中約25%の票を得て、2010年、2013年に続いて3度目の1位となった。

彼への投票理由で一番多かったのは、「国民の不安を、真剣に聞いてくれるから」というもの。同時にそれらの人々の多くが「他の政治家は、そんな不安をまじめに扱ってくれない」という印象を持っている。

Een Vandaagは、政治や社会情勢などを、分かりやすく、幅広い視聴者層に向けて説明する番組として人気が高く、この種類の番組の中では最も視聴率が高い。先月の統計によると、6歳以上の視聴者数は94万1千人、人気番組のランキングも14位だ(参考までに国営放送の8時のニュースは2位。視聴者数181万3千人)。

ちなみに人気2位の政治家は、14%の票を集めた緑の党党首Jesse Klaver(イェッセ・クラーファー)。1986年生まれの若い政治家で、有権者にこびない潔い態度が評価されている。3位は、ギリシャ危機をめぐる協議で大きく貢献したユーログループ議長、そして財務大臣のJeroen Dijsselbloem(イェルーン・ダイセルブルーム)で得票率は9%。


EU問題、難民問題が大きな懸案となる中で、今回の結果は予想通りとも言える。一方、とどまるところを知らずに右化していく社会に、大きな不安をいだく人も多い。