アウトサイダー・アート・ミュージアム

オランダ初の、アウトサイダー・アート・ミュージアムがオープンする。

3月17日、ロシアのエルミタージュ美術館別館「エルミタージュ・アムステルダム」の一角に、国内外の名作アウトサイダー・アートを集めたオランダ初「アウトサイダー・アート・ミュージアム(OAM)」がオープンする。

これは、ハールレムにあるヘット・ドルハウス美術館福祉ケア会社コルダーン、そしてエルミタージュ美術館の3者のコラボレーションによる「ミュージアム・イン・ミュージアム」だ。他にも、アムステルダムのアウトサイダー・アーティストの作品を展示するギャラリー、コルダーンが運営する障害者のためのアートアトリエが館内に同時オープンする。

アウトサイダー・アートとは、アカデミックな芸術の訓練や影響を受けていないアーティストの作品を指すとあるが、その定義は難しいらしい。さまざまな障害を持つアーティストは多く、「アウトサイダー」という呼び方にも社会的な議論があるそう。
とりあえずここでは、その辺の話は全て置いておくことにして・・・。

特別展第一弾は、日本のアウトサイダー・アート展だ。

ここに展示されている作品はヘット・ドルハウス美術館の所蔵品で、常設展と並んで半年毎に入れ替える特別企画もある。その皮切りとなるのは日本展で、11月まで開催予定だ。

館長のハンス・ローイエンさん(写真)曰く「アウトサイダー・アートは、精神的、知的障害を持ったアーティストが中心に活躍する場と解釈され、芸術療法の延長とみられがち。だが、この美術館では、そういった文脈とは関係なく、純粋に芸術性の高い作品だけを集めている。今までオランダでは積極的に開拓されてこなかったが、近年注目度はあがっている分野だ。エルミタージュという格式ある美術館の中に併設されることで、この分野の成熟にも役立つはずだ」。
近年このようなアートが注目されている背景には、「真のクリエイティビティはどこから生まれるのか」という問いかけに人々が関心を寄せているからだと言う。

3月16日に行われたプレスプレビューに訪れた人たちは、半分がアート関係や一般メディアのひとたち。そしてあとの半分は、福祉関係者や、自閉症、認知症などの専門誌の編集さんで、多角的な方面から関心が集まる美術館であることが伺われた。

続く