キンデルダイクにて

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26日の土曜日。記録的な寒波が、去って行ってしまった。

25日まで約2週間にわたって氷点下が続き、全国的に運河がしっかりと凍った。
ニュースは「寒波襲来」と報道するけれど、「寒波来訪」と歓迎する人も多い。

オランダには、「11都市マラソンスケート大会(エルフステーデントホト=Elfstedentocht)」という国民的な人気のスケート大会がある。
オランダ北部のフリースランド州にある11の街を結ぶ運河が、完全に凍結する極寒の冬にだけ行われるスケート大会で、自然氷上を約200km走るという過酷な競技。早い選手でも6〜7時間、普通の選手なら楽に12時間はかかる。
1909年に始まったこの大会は、1997年の最後の大会までに15回開催されている。
1997年以降は、数年に一度到来する大寒波の度に「今年こそ開催なるか!?」と国中が沸くのだが実現はならず、最近では「幻の大会」と呼ばれ始めている。それでも、万が一の開催に備えて、多くの選手たちが日々トレーニングを積んでいる。

そんなわけで、今月20日の大雪でフランクフルト空港に缶詰になるなど被害は被ったものの、私も寒波は密かに歓迎している・・・

25日の金曜日、世界遺産のキンデルダイクの運河でスケートを楽しんできた。
キンデルダイクは1997年に世界遺産に登録された、19基の風車群。オランダ切っての観光名所だ。
どんよりと曇った寒い1日。いそいそとスケートを担いでキンデルダイクを目指したのは、なんとうちの家族だけ。風車に囲まれた自然のスケートリンクを独り占めするという、これまでの人生で一番贅沢な体験を思う存分堪能。
翌日には氷が溶け始めることを知っていたので、すっかり日が暮れるまで欲張って遊んだ。

そんな「特上の体験」の余韻に浸っていると、昨日はテラス状になっている屋根に積もっていた雪と氷が一気にとけて事務所が大洪水(涙)。
日曜日だけれど慌てて修理業者に連絡をすると、「国中で被害が出ていて、今てんてこまい。明日行きます」とのこと。
やはり厳しい気象は、手放しでは歓迎できない・・・

photo's (c) studio frog